『パパと結ばれる夜』
あれから、二人で手を繋いで家まで帰った。
手を引かれてパパの寝室まで行くと、廊下はすっかり綺麗になっていた。
「綾瀬さん、片付けて帰ってくれたみたいですね」
「僕が慌てて追いかけて行ったから」と、パパが笑う。
寝室に入ってベッドに並んで座り、どちらからともなく見つめ合う。
そして、自然に唇が重なる。
「ふぅっ……っ」
直ぐに舌が入ってきて、私のそれと絡められる。
優しいキスに、力が抜けていく。
その感覚に、ゾクゾクと鳥肌が立つような気がした。
それは嫌悪ではなく、快楽によるもので……
「はぁ……あぁっ…」
鼻に掛かった、息とも声とも付かない甘い喘ぎが、耳に届く。自分の声なのに、とても甘い響き。
唾液が送り込まれ、絡められた舌を時々吸われる。
「……ぁっ!?」
口づけ交わしながら、パパの手が優しく胸に触れる。
「怖い?」
優しく、顔を覗き込みながらパパが言った。
パパはどんな時でも、優しい。だから、怖いない。
首を振ることで、思いを伝える。
パパは優しく胸を手の平で包み、ゆっくりと揉んでいく。
「んっ…あぁぁん!」
ゆっくりした手つきは、逆にもどかしい程で、もっと刺激が欲しいとさえ思ってしまう。
(……恥ずかしい)
そして、大切な包みを開けるような手つきで、服を脱がされる。
パパの前に、素肌が露になる。
「やっ……! 恥ずかしい」
服の乱れのないパパを前にすると、自分の姿がとても恥ずかしく感じる。
「大丈夫。綺麗だよ」
ふわりとシーツに押し倒され、額にキスをされる。
ベッドのスプリングは二人分の体重を優しく包んで受けとめてくれる。
「ぁ…あぁ……っ!」
キスは額から頬。首から鎖骨へと、下へ下がっていく。
キスをしながら、パパの手が蕾に触れる。そこは既に少し湿って濡れていた。
「濡れてるね……」
耳元で囁くように状態を教えられ、恥ずかしさで身体が熱くなる。
誰にも触れられたことのない場所に、パパの指が挿れられる。
内壁を探られる異物感に、思わず眉が寄る。
「ん…っ……!」
何かを捜すように、ゆっくりと膣内を探られる。
そして、ある一点を触れらた瞬間、身体が弾かれたようにビクリと反応した。
「あぁぁん!」
(何……!?)
「ここが花白ちゃんの一番感じる場所だよ」
(私が、一番感じる場所……?)
そこはいわゆるGスポットと呼ばれる場所で――
「ん……、ん…ぁぁあんっ!」
その場所を重点的に責められる。
いつの間にか膣内に指が増やされ、蕾からは卑猥な水音が聞こえてくる。
「そろそろかな」
ナカの具合を指で確かめながら、パパが呟く。
快楽の波に溺れそうな私は、ただぼんやりとパパを見つめることしか出来ない。
パパはサイドボードの引き出しから、新品のスキンの箱を取り出した。
(どうして、そんなものがここあるの? この部屋に、他の女性を招き入れたの? 私の知らない時に……)
不安で、涙が溢れてくる。
「花白ちゃん?」
急に泣き出した私に、パパが慌てる。
宥めるように髪を撫でられ、照れくさそうに告げられる言葉。
「これね、いつか花白ちゃんとって用意してたんだよ」
(つまりパパも、私と抱き合いたいって思ってくれてたってこと? 嬉しい……)
スラックスを寛げ、手早くスキンを着けた男根が蕾に宛がわれる。
「挿れるよ?」
クプリ…と、指とは比べものにならない大きな質量のモノがゆっくりと入ってくる。
「ん、ん……」
(あれ……、痛くない?)
よく初めての時はとても痛いものだと耳にする。
だけど、全く痛みがない。
「ごめんね、泣かせちゃうかもしれない」
「―――え?」
次の瞬間。グイッと一気に楔を膣内へと挿入される。
「痛っ! あっ……、いやぁ!」
一瞬、息が出来ないくらいの鋭い痛みが、身体中を駆け巡った。
余りの痛さに涙が溢れ、襞が痛いくらいに雄を締め付ける。
パパもキツそうに顔を歪ませていた。
「花白ちゃん、ゆっくりと呼吸して……っ」
私の痛みを和らげるように、パパが顔中に触れるだけのキスの雨を降らせる。
「んっ……」
ナカの異物感も少し薄れ、次第に身体の強張りも解けてくる。
それを見計らったように、ゆっくりと抽挿を繰り返される。
「……んっ! あぁっ、あんっ!」
(な、に……?)
痛いのに、その裂くような痛みに混じる、甘い痛み。
スプリングがギシギシとリズム良く音を立てる。
「この辺りかな?」
浅い場所を、角度を変えて抉られる。
「あぁぁ! ……はぁっ…あぁんっ! ……あぁ!」
そこは、指で散々責められた場所。
そこを擦るように突かれれば、ジワジワと快感の波が押し寄せてくる。
「あっ……、ひぁっ…ぁぁ!」
喘ぎ声が艶を帯びてくると、抽挿の速度が次第に速まっていく。
ズプズプとナカを穿たれ、快楽で理性が飛びそうになる。
「……気持ちいい?」
少し掠れた声で、パパが耳元で囁いた。
「んっ……! 良いの。 気持ちい……」
パパだから、こんなにも感じてしまう。
「あっ!、……ぁ…そこ、だめぇっ……!」
身体が痺れて、何も考えられなくなる。
「あぁっ! んぁっ、……ぁぁぁあ! ひゃぁぁっ!」
抽挿が激しくなり、頭が真っ白になる。
「くっ……!」
パパが低く呻き、ドクリと胎内に熱いほとばしりを感じた。
ドクドクとゴム越しに熱く注がれる証。
ニ人同時に達し、息が調わない内に熱い口づけを交わす。
「……大好き」
パパに小さな声で囁く。
薄れて行く意識の中、パパが大好きな笑顔で微笑んでくれたような気がした。
*END*
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