『証』Sideリク



 ねぇ、セロ。

 ボクはセロが欲しいンダ。

 セロはボクの恋人だけど、それダケじゃ満足出来ナイ。

 セロの身体も、心も、血も髪の毛一本ですら、ボクは愛しくて堪らないんダヨ。


 壊シタイくらい、セロが好キ。
 殺シタイくらい、セロが愛シイ。


 いつかセロがボクの腕の中から飛び出して行ってしまわないか不安なンダ。
 だから、セロはボクの物なんだって証を刻まセテ?



 ――証ヲ見セテ?



 可愛い可愛いボクのセロ。

 セロがボクのモノだって証を刻みたい―――


 会社からの帰り道、目に止まったのは宝石店のショーウィンドウ。

 飾られた物を見て、リクは口角を上げた。


「……見つけタ」


 セロにぴったりの証を―――


 迷わず店内に入り、店員を呼んでショーウィンドウの品を指差した。
 会計を済ませ、綺麗に包装された品物が入った紙袋を手に店を出る。

 見つけたのは、ピンクダイヤのピアス。

 ネックレスや指輪は外したらお仕舞いだけど、これはチガウ。
 だって、セロはピアスホールを開けてイナイカラ。

 セロの可愛い耳にボクがピアスホールと言う名の証を刻ム。


 セロは痛がるカナ?
 もしかしたら泣いちゃうかも知れナイ。

 でも、痛がる顔も泣き顔もきっとカワイイ。

 その全ての表情をボクがさせてると思うと、歓喜で心がいっぱいになる。


 早くセロに会いタイ。
 早くセロに証を刻みタイ。


 ねぇセロ、待ッテテネ―――?



*END*



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